鹿屋市のさつき苑にて「肝属地区獣医師会研修会」で講演をさせて頂きました。
化粧品メーカーが獣医師さんと何繋がり?
とお思いでしょうが、人口約10万人を抱える鹿屋市の住民(私含む)にとって、これまで耐えに耐えてきた畜産「香害」問題があり、その解決に向け、地域の化粧品メーカーが香りの切り口で何かできないかなぁと動いてみた話し。
鹿屋市内には、中小零細規模の畜産農家さんが住宅地のすぐ近くに点在しており、広大な自然の中で育てている他の地域と異なり、言わば密集している様な状態。
風の向きや湿度によっては洗濯物に匂いが移って干せないほど…
獣医さんによると、狭い畜舎ではただでさえストレスを感じている牛さん豚さんが、糞尿の処理を怠るとたちまちメタンガスが発生して、空気より重いそのガスが畜舎の下の部分に滞留して、子牛がそれを大量に吸って死んでしまったり、成牛も伏せてリラックスできずに終始立ったままで病気になったりしてるみたい。
そんな中、昨年末にとある獣医師さんから「アロマって動物にも効くのかなぁ?」という相談から、特にアロマの専門家ではない私が講演をする事に。(ハメに⁉︎)
とは言え、相手は獣医師さん。
いい加減なこと言っちゃうと動物の生死に関わる。
とりあえずネットで見つけられる論文を探すことから始めた。
すると、どうやら日本では「アロマ×畜産」のワードではほとんど論文が出てなくて、ヨーロッパが圧倒的に多くの論文を出してました。
それも、ここ最近の20年。
そこには、エッセンシャルオイルが持つたくさんの可能性がいっぱい書いてある!
その一例を紹介して対応できる商品をシュミレーションしたのが今回の講演の内容でした。
つまり、化粧品に関しては長年の経験で多少の知識ありますが、アロマはブレンドこそやるけどそこまで専門家でなく、ましてや動物に関してなどズブの素人。
そんな私がアロマで一発解決!などと魔法の様な提言ができるわけもないので、これまで行ってきた臭気対策に加えて新しい切り口の提案とEUの論文などの一例を情報共有をしてみて、各団体の反応を伺つてみる事にしました。
講演後の質疑応答では、参加された獣医師、畜産農家、行政の方々から数多くの質問やご意見を頂き予定時間をオーバーしビックリする程の反響がありました。
ある畜産農家さんから「私たちは臭いという事を口にする事は長年タブーとなっていたのに、そこまでハッキリ言われると、むしろ色々取り組んでみたくなった!」と。
もしかして化粧品屋という異業種だから呑気にやらかしてしまったのかも💦と、一瞬たじろぎましたが、前向きな意見にホッとした。
皆さん、実はめっちゃくちゃ臭いのこと気にされてたんだ!と改めて気づく事に。
これから動物とアロマの実験を獣医師さんの協力の元進めていく事になりそうです。
そして、いつの日かその成果で、畜舎の環境改善、動物のストレス軽減と生産性向上、畜産農家さんのストレス改善、そして、最大のテーマで大きな経済損失を受けている鹿屋市の「畜産香害」の対策に少しでも役立つ結果が生まれるのなら、大隅半島の隅っこで化粧品作りをやってる存在意義があるのかもしれないと思ったのでした。